
ここ数年に売られたスマホは、たいてい 2 回線を同時に動かせます。旅行用 eSIM が持っておく価値のあるものになるのは、そのおかげです。自分の番号はつながったまま、2 本目の回線が現地の価格でデータを運ぶ。どちらかを選ぶ必要は、最後までありません。
どちらが何を担当するか
元の SIM が担当するのは、電話番号、着信、受信する SMS、銀行の認証コードです。旅行用 eSIM が担当するのはモバイルデータのすべてで、地図、メッセージアプリ、ブラウジング、WhatsApp や Telegram での通話がここに入ります。
スマホは 2 つを同時に動かします。eSIM が徒歩ルートを表示している最中に、あなたの番号あてに着信が入る。歩きながら何かを切り替える必要はありません。
設定のしかた
出発前に、自宅の Wi-Fi で済ませておきます。
- 旅行用 eSIM をインストールする。 購入するとチャットに届きます。メッセージのインストールボタンをタップするか、QR コードを読み取るか、設定で情報を手入力します。
- eSIM をデータ回線にする。 iPhone は「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」で eSIM を選びます。Android はメーカーによって「設定」→「ネットワークとインターネット」または「設定」→「接続」と進み、「SIM」または「SIM マネージャー」でモバイルデータに eSIM を指定します。
- データローミングは、元の SIM がオフ、eSIM がオン。 実際に効いているのは、この 2 つのスイッチです。旅行用 eSIM はそもそもローミングで動く仕組みなので、オンが要ります。ローミングをオフにした元の SIM は、アプリがバックグラウンドで何をしようとデータ料金を請求されません。
- iPhone では「モバイルデータ通信の切替を許可」をオフにする。 「モバイルデータ通信」の画面にあります。Apple によると、通信エリアに応じて両方の回線のデータ通信を使えるようにする設定なので、オフにすればデータ通信は eSIM だけを使います。
- 回線に名前を付ける。 「プライベート」と「旅行用」にしておけば、あとで開くどのメニューも読みやすくなります。
そもそも eSIM の項目が出てこないときは、ほかを調べる前に端末がeSIM対応でSIMロック解除済みか確認してください。

銀行の認証コードは届くか
届きます。コードが送られるのはあなたの番号で、その番号は元の SIM にあり、その SIM はオンのままだからです。空港のキオスクで現地 SIM を買って差し替えるやり方より、この構成が優れている理由もそこにあります。自分の SIM をホテルの引き出しに置いてきたら、コードは誰も手にしていないカードに届きます。
ただし、届くことと、料金がかからないことは別の話です。 SMS の受信が無料かどうかを決めるのは、海外にいるという事実ではなく、契約している事業者とプランです。渡航先を含むプランなら、たいてい SMS も含まれます。古いプラン、入門的なプラン、プリペイドの条件では、含まれないことがよくあります。
多くのプランで実際に課金されるものが 2 つあります。
- 自分からかける通話と、自分から送る SMS。 元の回線から出す分には、事業者のローミング料金がかかります。着信に応答するだけで課金されることもあります。会話は eSIM 経由の WhatsApp や Telegram に回してください。すでに支払い済みのデータで済みます。
- 留守番電話の再生。 メッセージを聞いているだけのつもりでも、これを国際発信の通話として課金する事業者がいくつかあります。
やってはいけないのは、念のためといって元の回線を削除したり無効にしたりすることです。浮くものは何もなく、戻すまでコードも着信もすべて失います。
それでも元の回線をオフにしていい場面
きれいな例外が 1 つあります。契約している事業者が着信通話や受信 SMS にも課金する場合、あるいは請求をゼロにしたいと確実を期す場合は、旅行のあいだ元の回線をオフにします。「設定」→「モバイル通信」または「SIM」→回線をタップ→オフ。
戻すまで、あなたの番号は沈黙します。そのあいだも WhatsApp と Telegram は eSIM 経由で動き続けます。データを運ぶ SIM ではなく、番号にひも付いているからです。代わりに失うのは、この構成が守るはずだったものそのものです。SMS の認証コードは届きません。銀行がアプリやメールでもコードを送れるなら、出発前に切り替えておいてください。
帰国したら
2 つのスイッチを戻します。データ回線を元の SIM に、eSIM のデータローミングをオフに。
eSIM はそのまま入れておいてください。次の旅のプランは同じ eSIM に自動で追加されるので、入れ直すものはありません。データプランには期限がありますが、eSIM のプロファイル自体は端末に残ります。
1 回の旅で実際にどれくらい使うのかは、旅で本当に使うデータ量にまとめてあります。eSIM はつながっているのに何も読み込まないときは、eSIM でデータ通信できないときの確認リストが順番に切り分けてくれます。
次に足すプランは、端末ではなく国で決まります。スペインのガイド がその型です。プランが実際に使う回線と、現地で 1 週間に消えるデータ量が載っています。
Atli の現在の設定手順と、Apple および Google 公式のデュアル SIM の案内をもとに確認しました。2026 年 8 月。契約している事業者のローミング条件はプランごとに異なり、変更もあります。出発前にご自身の条件をご確認ください。



